22歳で勤めていた会社を退職し、今後の人生をどうするか迷っていたとき、「ライフラインに関わる仕事をしたい」と感じ、友達の勧めで入社した犬井さん。
配属となった部署は保全業務。今まで、モノづくりに携わっていたので全くの畑違いの仕事に、最初は何をすれば良いのか全く分からなかったとのこと。先輩方に仕事の内容や工具の使い方を教えてもらい、徐々に業務内容が理解できるようになっていった。
保全業務は、主にガバナー(整圧器)の点検・バルブの点検・バルブ操作といった、維持管理を目的とした業務だ。バルブの点検は、操作しやすいように駆動部に油を差したり実際にバルブが動くか回転テストをしたり、バルブ操作や緊急時のバルブ開閉に備えて、バルブを整備する保全業務の基本的な仕事。バルブ操作は中圧(家庭用の何百倍)から低圧(家庭用の圧力)工事可能圧力に減圧し、ガス管の修繕やパイプラインの延長といった建設工事に携わる仕事であり、保全業務に欠かせない仕事である。
なかでも一番やりがいがあるのは、ガバナー分解とのこと。ガバナーは、中圧から低圧に整圧し、一般家庭へガスを供給する、言わば変圧器の役割を担っている。お客さまにガスを安全、安心して使っていただくために、定期分解やガバナーの調整を行なっていて、今も日々ガバナーの構造や働きを勉強中の犬井さん。
自身の仕事について、「ガス事業の提供するものはライフラインの内の一つの都市ガスです。無形の気体であり、物の形こそありませんが、ボタン1つでコンロに火がつく、ボタン1つでお湯が出る、ボタン1つで暖まれる。この当たり前のことが、僕たちの手によって守られ、安定して提供されていることが喜びです。お客さまの笑顔は、直接は見ることはできませんが、お客さまの期待に応えられるよう、縁の下の力持ちとしてこれからも頑張って行きたいと思います。」と語ってくれた。
将来の目標として「知識・技能ともに、今よりもさらに高いレベルになり、後輩の手本となるゲンバの星になりたい」と語ってくれた表情はとてもたのもしく見えた。