高校時代の通勤途中に、ときどき目にしていたガス工事現場で、作業区画をガードマンがきびきびと誘導していた。重機で道路を掘り返した土砂をダンプにテキパキと積み込み、機材も整理整頓し、現場で働いている姿がカッコいいなと思ったことが、この業界に入ったきっかけ。
入社当時はガス工事がどんなものなのか、何も知らない状態で現場工事に派遣され、先輩の指示に従って作業をこなしていた。その時に先輩から、ガス工事は一歩間違えれば大事故に繋がるので、「保安と品質」は特に注意しないといけない仕事だということをずっと聞いていたという。
そんな先輩の話のなかで、特に印象に残っている話は、「大阪の天六ガス爆発事故」。昭和45年4月8日夕方、大阪の天神橋6丁目で当時地下鉄の駅を作るために大規模な掘削が行われており、そのガス管から漏れたガスで「大爆発」が起きた事件だ。周辺は火の海となり、多くの死傷者が出た。その話を聞き、改めてガスの怖さを知った藤田さんは、ガス工事の現場では「保安と品質」には十分に気をつけようと決心した、と語ってくれた。
今では大阪ガスの人材開発センターで、改めてガスの怖さを体験できる施設があるので、日々確実な作業をしようと痛感するのだという。最近は、班の仲間や先輩と指差呼称をしながら、日々みんなで「保安・品質」の確認を実施している。
面白いと感じる仕事は、古いガス管を新しいPE管に入替することで、撤去した配管の間に新しいPE管の配管全長をピッタリに合せて収める作業が特に好きとのこと。好きな工具もPE管の融着作業で使用する固定治具や各種工具・機器関係で、仕事では最も重要でチェックも十分行っているという。
本日の作業のポイントは、バイパス管を設置し背圧測定をすることだという。毎日現場にあわせて段取りと作業手順を打ち合わせをし、準備万端で作業に臨むが、現場の状況によって変更点が発生することも多々ある。それを事前に想定し、班長に指示される前に動くことを意識しています、と語ってくれた。
また、近くに尊敬できるベテランの先輩がいるとのこと。難しい現場でも率先して取り組み、若手には厳しく・優しく・楽しくをモットーにしており、監督とも関係づくりもうまい人だという。藤田さんの目標は、その尊敬できる先輩のように、部下から信頼され、保安品質を確保しながら、全員をまとめて工事を無事に終わらせることができる人間になること。そして、私がその先輩に対して憧れを持っているように、部下や後輩のから憧れてもらえるような存在になることが大きな目標です、と語ってくれた。
最近、ガス工事をしていて、お客さまから「ありがとう」とお礼の言葉をいただいたのだという。これからも日々努力し、ガス工事以外でもお手伝いできることは、何でもやってあげようと思ったんだとか。
休みの前日はみんなで協力して仕事を早くこなし、休み明けの段取りもしっかりと行い、プライベートの時間を充実させている。「気の合った仲間や彼女と、美味しいお酒やカラオケで、仕事も忘れて遊んで英気を養うこと」を一番の楽しみにしているとのこと。